7月8日に県学薬講習会を行いました。今回の講習会は県学薬50周年記念講演の第1弾でした。
「学校薬剤師必携2006」の解説を著者でもある前文部科学省教科調査官 石川哲也先生に講演していただきました。会場いっぱいになる盛況で学薬としてとても役に立つ話が聞けました。この本は一般に「赤本」といわれ、主に学校薬剤師の職務に関する法律などの拠り所が記載されています。後ろの付録には、今までにない詳しい法令・通知が載せてあります。法的根拠を質問された時に非常に役に立つ本です。是非学薬の座右の書として利用してください。
かいつまんで講義の中味を述べると、学校薬剤師の業務日誌の話、業務日誌をこまめに付けるよう話されていました。またダニ検査のマイティチェッカーの話も詳しくしていました。目立った話としては、小学校に水筒を持参し、その水筒に大腸菌群が大量に発生する話をされました。関東ではあまり見られないが、関西などで小学生が水筒を持ってくるのが多い。その水筒から大腸菌群が多く検出された。特にストロー付の水筒ではストローにカビなどが付着しやすく非常に非衛生的である。水筒は食器洗浄器で洗浄すると大腸菌群は出なくなるが、プラスチック製品が多く洗浄器にかけられない。また、消毒液なども使わないようにとの注意書きがあるものもある。結局物理的にブラシで洗うしかないが完全ではない。今後どのような処置をしていくか研究していくとのことです。
学校に水筒を持っていくのは家庭の自由なので一概に禁止するわけにはいかないそうです。ペッドボトルの場合には当然ながら大腸菌群は何日たっても検出されない。唾液を入れても一般細菌は出ても大腸菌群は検出されなかったことから、やはり問題は水筒本体にあるとの結論でした。その他にもためになる話を2時間余りに亘って講義してくれました。
日立学校薬剤師会員は、約半数弱の多数の方の出席をいただきました。都合で出られなかった会員のみなさんも是非この本を読んで参考にしてください。
平成19年7月8日
日立市学校薬剤師会会長 大曽根清朗