ATP 検査


ATPATP 測定法

 ATP測定法(ATPそくていほう)とは、すべての生物の細胞内に存在するATP(アデノシン三リン酸)を酵素などと組み合わせて発光させ、その発光量(Relative Light Unit;RLU)を測定する方法のことである。ATPふき取り検査とも呼ばれる。
 細胞内の存在するATPは、酵素であるルシフェラーゼなどと反応させることにより発光する。この発光量はATP量が多いほど発光量(Relative Light Unit;RLU)が増す。この方法を利用して、食品業界や医療機関などでは器具の汚染調査、清浄度調査などに利用されている。これは、細菌や残渣などの汚染物質が残っているとATPが存在し、発光することによりモニタリング法として適切な衛生管理が行うことができるとされている。なお、この検査方法は、厚生労働省監修の「食品衛生検査指針微生物編2004」にも掲載されている。

 現在、ATP測定法により微生物の同定などを行うことはできない。
 宇宙開発分野では、惑星などで生物が存在しているかどうかの方法としてATP測定法が活用されている。
2001年にキッコーマン株式会社が開発したATP測定器「ルミテスターPD-10」、2009年に発売された「ルミテスターPD-20」は、従来のATPだけではなく、ATPが加熱・変形したAMP(アデノシン一リン酸)も測定することができ、より精密な測定が行えるようになった(特許No.3409962)。


参考文献

 伊藤武、ATPふき取り検査研究会 監修「新しい衛生管理法ATPふき取り検査(改訂版)」鶏卵肉情報センター,2005.ISBN 978-4-901828-08-6
 厚生労働省 監修「食品衛生検査指針 微生物編2004」社団法人食品衛生協会,2004.ISBN 978-4-88925-002-2
ATP検査キット リオンテック 食品施設の清潔度検査に!! ATP(アデノシン3リン酸)キットのご利用を 食品衛生法・学校給食法 (学校給食衛生管理基準)に準拠 ★対象施設★ ●給食施設 食品工場 生鮮食品 外食産業 ホテル 水関連 「食品衛生検査指針・微生物編」 参照
●危険度の高い検査箇所 まな板 調理台 包丁 調理器具 手指 ザル・ ボウル シンク ミキサー 調理機械 調理釜 壁・床 加工設備 ドアノブ 蛇口
●製品加工設備の表面 調理肉製品 生肉 食肉処理場 魚肉製品 検査の迅速化・能率化へ ATP検査キット 判定基準


資料

キッコーマンバイオケミファ  滋賀県・学術論文  ATP検査報告書